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最高裁判所第一小法廷 昭和42年(あ)426号 決定

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人北尻得五郎、同長山亨、同松本晶行の上告趣意第一は、違憲(三一条違反)をいうが、その実質は単なる法令違反の主張であり(所論「トルコ風呂」が、昭和三九年法律第一二一号による改正前の公衆浴場法《以下同じ》の規整の対象となる旨の原審の判断は、正当である)、上告適法の理由に当らない。

同第二のうち違憲(二二条違反)をいう点は、原判決は、被告人の所為が公衆浴場法八条一号所定の許可を受けないで業として公衆浴場を経営した罪に当ることを判示しているのであって、所論「トルコ風呂」が公衆浴場法の規整の対象となること右説示のとおりである以上、所論行政処分が違法であると否とにかかわらず、所論違憲の主張は、原判決の結果に影響のないものであり、その余は単なる法令違反の主張であって、いずれも上告適法の理由に当らない。同第三は違憲(三一条違反)をいうが、その実質は単なる法令違反の主張であって、上告適法の理由に当らない。

よって、刑訴法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 長部謹吾 裁判官 入江俊郎 裁判官 松田二郎 裁判官 岩田 誠 裁判官 大隅健一郎)

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